「ふるえ」の薬って?
先日、脳外科の医師から
「ここの病院では、本態性振戦(ほんたいせいしんせん)に使用できる薬はありますか?」
という問い合わせがありました。
調剤室にかかってきたようですが、DI室に「こんな質問があったから、答えてね!」
と連絡が来ました。
本態性振戦(ほんたいせいしんせん)とは、簡単に言うと”ふるえ”の事をいいます。
ちなみにこの本態性(ほんたいせい)と言う言葉は、高血圧などでも使用しますが、原因がハッキリしない病気のことを意味します。
つまり本態性振戦は原因がわからないふるえ、本態性高圧症は原因がわからない高血圧を意味します。
実はこの本態性振戦(ほんたいせいしんせん)の薬は、アルマールという薬(実際にはその後発品も含みますが)しか保険で認められていません。
もともと血圧の薬なのですが、古い薬なので当院では使用されていません。
と言う事で、実は適応外なのですが、一般的によく使われているインデラルという薬を紹介しました。
ここからはちょっと難しい話です。(一般の方は無視してください。)
質問を受けた薬剤師にも説明したのですが、よく理解していないようなので・・・・
少し解説したいと思います。(自己満足かも・・・)
一般に本態性振戦(ほんたいせいしんせん)には、β遮断剤が用いられます。
現在のβ遮断薬は心不全の治療や高血圧の治療に用いられますが、その作用はβ1受容体に依存するためβ1選択性が高い薬品が好まれ、主流となっています。
一方、本態性振戦に用いられるのはβ2受容体を介するもので、選択性が低い昔の薬品の方が使用しやすいのです。つまり今時の高血圧薬(β1選択性の薬品)は使用されないわけです。
保険上適応があるアルマールはαβ遮断剤というβ受容体以外にもα受容体にも遮断作用を有する薬剤です。
このため、α遮断作用にも本態性振戦の改善作用があると思われがちですが、今のところその効果はないだろうと言われています。
これはファントラミンというα遮断剤の実験で、本態性振戦の改善が認められなかった事によるものです。
しかし、最近海外では他のα遮断剤で本態性振戦の改善が見られたという報告もあり、今後はやや解釈がかわるかもしれません。
ただし、β遮断剤では本態性振戦の改善が見られたと言う報告が多いのに対してα遮断剤ではほとんどの場合効果がなかったとされているので、あったとしてもその効果は限定的と思われます。
ちょっと、薬剤師らしい発言をしてみましたが・・・
一般的ではないですね。ゴメンなさい!
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